もりの日記

マンガ描き・杜野亜希の、仕事や観劇や身のまわりなどなど日記です。

映画「スウィーニー・トッド」

映画「スウィーニー・トッド フリート街の悪魔の理髪師」を観てきました。
グロいという評判を聞いていたので、かなり覚悟して行きました。
結論から言って、私は普通に観られましたけど、私は舞台版(宮本亜門演出版)を観ていてストーリーは大体わかっていたので。
覚悟できている物に関しては、図太いのです。
(そのかわり、いきなりなモノには弱いへたれです)
この作品の血は、多分、監督ティム・バートンが最もやりたかったであろう部分なので、結構情け容赦ないですね。
私の隣に座っていた女性とかは、後半ほとんど顔をそらしていました。
話の内容より、血に弱かったりする方だと、もう生理的にダメだと思います。
とはいえ、血の色はモノトーンの映像の中でことさら毒々しく映る人工的赤。その作り物らしさを楽しめる(この言い方、あまり適切ではないですね)人はぜひ…という感じです。
作品的には、全体に陰鬱なホラー的要素が強かったです。
そんな中で、ヘレナ・ボナム=カーター演じるミセス・ラベットの夢のシーンは、怖いけどなんか可愛くて可笑しい、いつものティム・バートン映画的雰囲気が出ていてよかったなあ。
そうそう、元の舞台版に倣ってミュージカルだったのですが、ジョニー・デップの歌声、よかったです。自然な感じ。
あと、少年トビーが、歌・演技共によかった。かなりの難役なのに。
舞台版では、この役、頭の弱い青年で、それゆえにただ一人純粋でもあるという役でした。
それに対し、映画では、まだ小学生くらいの少年で、生き抜くために十分頭はいいし、プラス、虐待されて育っていたり、ミセス・ラベットへの偏愛感情があったり…と、違った方向のキャラクターになっていました。
ミセス・ラベットとトビーのデュエットは、そのため、より深みが感じられましたね。
実は、映画のラストの印象、舞台と結構違う気がしたのです。
トビーのキャラの違いと、観てるこっちの視点(感情移入度)が映画だと、よりスウィーニー・トッドやミセス・ラベットら登場人物寄りになるせいでないかと思います。
舞台版は、もっとマス視点で観ていたような。
だからこそ、ラストの街の人々の♪スウィーニー・トッド〜の声が、無常観があって効果的だった気がします。
メディアによっての見せ方の違いになるほどなーと思いました。
舞台版の記憶がだいぶおぼろげなので、また観てみたいなあ。

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